豊永敬之の大腸内視鏡検査のトレーニング・研修システムの論文 of 福岡の大腸・肛門科専門医による痔・肛門科・大腸内視鏡(大腸カメラ)のサイト 大腸肛門武者修行

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主な研究や論文

大腸内視鏡挿入法の効果的なトレーニングシステム

JDDW 2006 札幌 ビデオワークショップ

豊永敬之、鈴木康元、西野晴夫 (松島病院大腸肛門病センター)

主な内容

【背景】TCSが行われるようになって四半世紀が経過したが、供給はいまだ充分とはいえず、さらに多くのコロノスコピストの育成が求められている。しかし、TCSを短期間に上達させることは自己流では限界があり、TCSの普及には初心者にもわかりやすい挿入法の確立とトレーニング法の工夫が望まれる。
【環境】無透視・一人法、前投薬使用、体位変換無し、硬度可変スコープ使用。
【初心者にもわかりやすい挿入法】直腸から盲腸までを13部位にわけ、各部位での最善の挿入手技を追究・パターン化した挿入法で、モニターの画面(スコープヘッドの位置と次の管腔方向)と右手の感覚(スコープヘッドへの力の伝わり具合)を重要な要素としている。なお、挿入法のポイントはSDJまでを軽いライトターンで挿入することと、脾湾曲部で腸管のストレート化を図ることであるが、今回はUPDによる検証も加えて供覧する。
【トレーンニング法の工夫】1.マンツーマン法:当センターでは4部屋でTCSを行っており、2005年の検査数は19,305件であった。研修医は指導医とのペアが決められており、研修医数は一日8人までとなっている。研修医の持ち時間は10分が基本で、研修医のレベルに応じて症例数や難易度が決定される。マンツーマン法ではきめ細やかな指導が可能であるが、研修医の数や症例数に制限がある。2.ビデオカンファレンス法:TCS挿入中のモニター画面を録画したビデオをもとに挿入法の検討会を行っており、ここでは“スコープヘッドの位置”、“次の管腔の方向”の読みを徹底的に訓練するとともに上級者の挿入法を見ることで、自分の理想とする挿入法のイメージの構築が可能となる。マンツーマン法とは異なり、多数の研修医および指導医が同時に参加でき、活発な議論が可能である。
【結語】TCS挿入手技のより効率的な修得には、確立された挿入法の理解とともに、マンツーマン法とビデオカンファレンス法を併用したトレーニングシステムが有用であると考えられた。

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