痔の治療と手術についての質問と答え of 福岡の大腸・肛門科専門医による痔・肛門科・大腸内視鏡(大腸カメラ)のサイト 大腸肛門武者修行
痔の手術についてのQ&A
手術前の準備は?
- 手術前には特におおがかりな検査はありません。血液と尿の検査、レントゲン検査、心電図などです。
- 手術の前日の夜に軽い下剤を飲んでもらいます。手術の当日は軽い浣腸をします。
- 食事は前日まで普通にしていただいて構いません。手術の直前は食事はできません
手術の時間は?
- 通常の痔の手術は短時間の手術です。痔核や痔ろうの手術でもほとんどが10~30分で終わります。
手術中の痛みはありますか?
- 手術中は麻酔をしますので痛みはほとんどありません。
- 通常、手術中は意識はしっかりしていますが、眠りたい方にはリラックスするお薬を使ったりもできます。
手術中の体位は?
- 通常の手術(痔核手術や痔ろう手術)の場合、ジャックナイフ体位で行います。
- 手術の一部(直腸異物摘出、直腸腫瘍切除、直腸瘤など)では砕石位で行うことがあります。
- 外来の小「手術ではシムス体位やアベル体位で行うこともあります。
手術後の痛みは?
- 手術の日から手術後1週間ぐらいは、特に排便の時に痛みがあります。
- 多くの場合日が経つにつれて楽になります。
- 痛みを怖がって便を我慢すると、便秘になり、よけいに痛くなるのでよくありません。
- おしりの傷は排便しながら治していくものです。
手術後の排便は?
- 手術の翌日から食事も排便もいつも通りにしてかまいません。
- 排便の後は、坐浴などでお尻を洗い、その後十分に乾燥させましょう。
手術後の出血は?
- 排便時に紙につく程度の出血がありますが、これは傷口からの心配のない出血です。
- 傷の治りとともに出血も止まっていきます。
- まれに出血が多く、かたまりとして出たり、下痢するように出る場合は、止血処置が必要なことがあります。
手術後の入浴は?
- 手術の翌日はシャワー、翌々日から入浴できます。
- 入浴は肛門を清潔にし、また血液の循環を良くしますので、傷も早く治ります。
家事や仕事の復帰は?
- 普通の仕事なら手術後2週間ぐらいから始めるのが無難です。
- 出血や痛みがなければ早く就業できる場合もあります。
- 力仕事は1か月ぐらい控えたほうがいいでしょう。
自転車や自動車の運転は?
- 通常、手術後2週間から大丈夫です。
- 乗ってみて痛みがある場合は控えたほうがいいでしょう。
運動やスポーツは?
- ゴルフやウォーキングなどは手術後2週間ぐらいからしてかまいません。
- 水泳やランニングなどは1か月後くらいがいいでしょう。
食事やアルコールは?
- 食事の制限は特にありませんが、食物繊維や水分は多めにとりましょう。
- 過度の刺激物(こしょう、からし、カレー)などはしばらく控えましょう。
- アルコールは手術後2週間くらいすれば少しなら大丈夫です。
- 飲んでみて痛みや出血が強くなれば控えましょう。
退院後の生活は?
- 退院といっても完全になおったわけではありません。まだ残っている手術の傷を早く治すためには注意が必要です。
- 入院の時と同じように、便のコントロールとおしりの清潔が必要です。
手術の後遺症は?
- 肛門科専門医による手術では後遺症はほとんどありません。
手術後の再発は?
- 肛門科専門医による手術では再発はほとんどありません。
- しかし、手術の後に便秘や下痢を繰り返したり、トイレで10分以上いきむことが続くと、手術をした部位以外に新たな痔ができることもあります。
- 再発しないためには日常生活のアフターケアが大事です。