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 大腸内視鏡の挿入法は内視鏡機械の進歩やさまざまな専門書やセミナーにより、著しく進化してきました。しかし、多くの内視鏡の達人たちもみんな同じ挿入法ではなく、それぞれの立派な理論と特徴をもっていると思います。その中で、現在、日本で最も普及しているのは、無透視一人法で、ループ形成解除法と軸保持短縮法にわけられると思います。(そのほかにも、二人法、透視やコロンナビゲーションを使った挿入法、ダブルバルーンを使った挿入法などもありますがここでは割愛させていただきます)一見、この二つの挿入法は相反するもののように見えますが、実際の臨床の場面では症例と環境に応じて、この二つの挿入法を使い分けるのがより有効だと考えています。
 僕は6年間松島病院で鈴木康元先生から二木会流挿入法の薫陶を受け、僕自身の挿入法を固めました。その後、友人である東葛辻仲病院の赤木先生から無送気フード法を学びました。現在ではこの二つの究極の挿入法を駆使して、日常の診療にあたっています。以下に、この二つの素晴らしい挿入法のエッセンスを述べたいと思います。

二木会流大腸内視鏡挿入法

ループ形成解除法の究極の進化形

 大腸内視鏡挿入における最大のポイントであるS状結腸を理想的なループをつくって通過し、脾湾曲部で解除しストレート化をする方法です。この原型は新谷弘美先生、岡本平次先生によってつくられ、その後、松島病院大腸肛門病センターの鈴木康元先生により完成の域に到達しました。鈴木先生の革新的で独創的で他の追随を許さない点はいままで感覚とセンスに頼りがちだった挿入手技というものを、自身の膨大な経験をもとに正確に理論化したことです。すなわち、大腸内視鏡検査中に遭遇するさまざまな場面においての的確な対処法をすべて具体的に言葉で表現するにいたりました。そのことで、初心者でもわかりやすく役に立つ挿入法として注目されるようになりました。

高い盲腸到達率とスムーズで快適な検査の施行

 一般的にに、大腸が短く癒着などもない”やさしい腸”では検査が苦痛なくスムーズにいきやすい。一方、腸が長く癒着も強いような”むずかしい腸”では検査も時間がかかり痛みも出やすく、時には盲腸まで到達できないこともある。二木会流挿入法の特徴として”むずかしい腸”を”やさしい腸”に変化させるいくつかのテクニックがあります。そのおかげで他の施設で不成功に終わった”むずかしい腸”にこそ、二木会流挿入法は威力を発揮するようです。
 また患者さんに優しい快適な内視鏡の環境を整える努力も内視鏡医には必要です。それには、腸管洗浄のクオリティ、適切な意識下鎮静の使用、安全なバイタルサインのモニター、内視鏡スタッフの教育、内視鏡機器の充分な洗浄や感染対策など多岐にわたっています。これらのすべての環境に関しても一流の水準であったからこそ、松島病院は4部屋の内視鏡室で1日70~80件の大腸内視鏡検査(治療を含む)を行いうる秘密があったと思います。

マンツーマン法とビデオカンファレンス法

 以前より松島病院では全国から大腸内視鏡を学びに多くの研修医が集まってきました。鈴木先生を始めとする達人たちの検査でマンツーマンでついて、その技を教授することができます。このマンツーマン法がもっとも上達の近道でありますが、一度に多くの研修医に教えることができない、遠くの医師はしょっちゅう来れないなどの欠点もありました。そこで内視鏡のモニター画面をもとにディスカッションを行うビデオカンファレンス法を取り入れることで大勢の内視鏡医への指導が可能になりました。挿入法勉強会は2000年に発足し、東京・神奈川本部に加え、千葉、大阪、兵庫、福岡に支部も結成され、2009年には会員数は400名を超えるにいたっています。

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無送気フード法

優しい”軸保持短縮法” 

 軸保持短縮挿入法は工藤進英先生に提唱された方法で、ファイバー径の太い拡大内視鏡による検査や治療のために発達普及してきました。学会などではループ形成解除法より軸保持短縮法のほうが大腸内視鏡挿入の主流になってきています。
 確かに腸が短く屈曲が少ない”やさしい腸”では誰でもストレート状態で挿入することができますが、腸が長かったり癒着をしていたりする”むずかしい腸”で全く腸管を伸展させずにストレートのままで盲腸まで挿入することは至難の業です。
 本郷クリニックの鈴木雄久先生や東葛辻仲病院の赤木一成先生らは、送気を全く行わないことでさらに腸管の短縮化を可能にし、90%以上の高い確立で完全ストレートでの挿入を確立しました。そのかわりにフードを装着し時によって送水を行い管腔をとらえていくこともあります。また体位変換や深呼吸を効果的に使っているのも特徴です。

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